バイク王 バイクライフ研究所 コラム

『バイク雑誌と自動車雑誌の誌面作り、その違いとは?』 九島 辰也

九島コラム写真

趣味といえばそれまでですが、長年雑誌の世界で働いているので、バイク雑誌と自動車雑誌はよく目を通します。実際に編集部員として作業していたのは自動車雑誌ですが、バイク雑誌にも知り合いはいますし、そもそも学生時代にはバイク雑誌のモデルをしていました。まぁ、モデルというのは体のいい呼び名で、その実は撮影用バイクをメーカーから引き取り返却するという雑用要員でしたが……

それはともかく、10年くらい前でしょうか、自分が自動車雑誌の編集長になり、その本をどう進化させていくか悩んでいたとき、バイク雑誌と自動車雑誌の違いを考えていたことがあります。そこで気づいたのが、バイク雑誌にはツーリングをメインとしたかっこいい写真で展開する誌面がけっこうな割合で存在するということ。当時でいえば、「Out Rider」なんて雑誌がそうだったと思います。ページを開くと、なんとも情緒的なシーンが続きます。ほぼ一冊丸々そんな感じだったでしょうか。

それに対し、クルマは性能の追求ばかり。ロードインプレッションと技術解説中心で、なかなか情緒的な誌面作りができません。というか、強引にそんなページを差し込んでも浮いてしまうんですね、これが。

そのとき思ったのですが、じつはバイクの方が文化として進んでいるのではないでしょうか。もちろん、性能を解説するページも必要ですが、それをどう使うかという人間の感性に訴えるページがちゃんと意味を持つからです。残念なら、晴れた日に峠を走っているシーンや仲間とパーキングロッドで楽しく談笑しているシーンで、自動車雑誌のページつくりは成立しません。

なんてことを考えると、いくつになってもバイクに触れていることは大切だと思います。情緒豊かな人であり続けるためにも、バイクで街を飛び出すことは欠かせませんね。

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