バイク王 バイクライフ研究所 コラム

『スポーツとしての“モーターサイクリング”を楽しむために』 佐川 健太郎

佐川コラム写真

バイクで走ること、つまり、モーターサイクリングとはスポーツである、というのが私の持論です。サーフィンやスキーなど、アウトドアスポーツを趣味にしている方も多いと思いますが、自然の中で体を動かして、気持ちのいい汗を流すのは楽しいし爽快ですよね。スポーツは心身を健康にするものですが、全身でバランスを取りながら頭脳もフルに働かせて走るバイクも、立派なアウトドアスポーツと私は思っています。

ただ、他のスポーツと決定的に異なるのは、バイクという“機械を操る”点にあります。他にも道具を使うスポーツはいろいろありますが、バイクは桁違いにハイパフォーマンスなのが問題です。
たとえば、最新のリッタークラスのスポーツバイクだと、最高出力200馬力、最高速度300㎞/hに迫ります。ちなみに人間の出せる力をパワーに換算すると、わずか1馬力に満たないそうですし、100mを9.58秒で駆け抜ける人類最速のボルト選手でも平均時速は38㎞/h程度(それ自体スゴイ!)です。ということは、本来の人間の能力を遥かに超えた領域で、我々はバイクと付き合っているわけです。だからといって、「スピードを出せ」と言っているわけではありません。そういう「力」を秘めた乗り物を運転している責任が、我々ライダーにはあると言いたいのです。

では、安全にバイクと付き合うためにはどうしたらいいのでしょう。 私が思うに、一番大事なのは「安全マインド」です。冷静に状況判断し、正しく危険予知ができることが最重要です。次に「安全装備」。ヘルメットはもちろん、グローブやブーツ、プロテクター類を正しく身に付けていれば、万が一のダメージが低減できます。そして、「安全スキル」。あえてテクニックと言いたくないのは、うわべの“技巧”を真似しても意味がないからです。たとえば、MotoGP選手のフォームだけコピーしても、それは単なるモノマネと同じ。やる場所を間違えれば、かえって危険です。どうか皆様には、地に足のついた“技能”を磨いていただきたいと思います。そして、これらのノウハウは早い段階で知って、実践していくほうが絶対にトク。結局それが、安全にバイクライフを楽しむための早道になります。

そういえば、8月11日に新東名の清水パーキングエリアにて開催された「Fun to Ride! Meeting 2013@清水PA」でライディングレッスンを担当させていただきましたが、参加者のハツラツとした表情に感銘を受けました。ちょっとしたコツをつかみ、考え方をスイッチするだけで、格段にスムーズに乗れている自分に気付くはず。そうやって、思いどおりに操る楽しさ、自分を高めていける高揚感が皆様の表情にも表れていたのだと思います。
スポーツとしてのモーターサイクリングを一生の趣味として続けていくためにも、ぜひ今一度、バイクとの付き合い方を考えていただけたらと思います。

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